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柴又の染色工場、「JAPANブランド」支援事業に採択-柴又から世界へ

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 経済産業省は6月25日、「JAPANブランドプロデュース支援事業―MORE THAN プロジェクト」の採択プロジェクトを発表し、柴又の老舗染色工場「丸枡染色」(葛飾区柴又4)が選ばれた。

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 世界を狙う中小企業がプロデューサーとチームを組み、海外での販路拡大を目指す同事業。日本の地域・文化を生かした良質の商材も、中小企業だけで海外販路をつかむのは難しいことから、海外に強いプロデューサーを投入。市場調査、商材改良、PR・流通活動などを支援する。2014年度のテーマは「MORE THAN(モア ザン)」。「フジヤマ、スシ、サムライ、ゲイシャ」というかつての日本イメージの脱却を図り、さらに現代の日本を世界へ伝えようというもの。応募総数78件中、16件が採択された。

 創業113年の歴史を持つ同社では、同プロジェクトにオリジナルブランドのストール「marumasu(マルマス)」を展開する企画を提出。プロデューサーは、デザインステーショナリーで多数の実績を持つ「マークス」(世田谷区)が担当。アドバイザーにインダストリアルデザイナーの島村卓実さんを招き、海外販路獲得を目指す。事業開始は 7月中旬を予定。

 同社4代目・松川和広さんは「marumasuは、ニューヨーク近代美術館や百貨店など富裕層向けに展開してきた。本プロジェクトでは、ストール文化が根付くヨーロッパで普通の人が使いやすい日常的なものへ改良、展開したい」と意気込む。

 「marumarsu」は、色彩豊かな絵画のようなストール。とろり、ふわりとした風合いと、ユニークなデザインと目が覚めるような発色が特徴。広げると腰まで覆う大きさだが、畳むと文庫本サイズほどになる。柄の構成も考え尽くされ、巻き方のアレンジでガラリと異なる印象を与えられる。「高いデザイン性とクオリティーは、企画デザインから、染色、加工、縫製に至るまで一貫して自社工場で行うため実現できた」とも。

 自ら機械を動かして、デザインをプリントする同社デザイナーの田中綾乃さんは「ほんの少しのさじ加減が微妙なニュアンスを生む。デザインを自らプリントできる染色工場は、他にはない」と話す。松川さんは「国産にこだわり、素材と対話し、どこにもない極上ストールを作っている」と胸を張る。

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