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葛飾区、区外で初の「町工場見本市」-区が出展を積極的に後押し

葛飾区地域振興部 商工振興課工業振興係のメンバー

葛飾区地域振興部 商工振興課工業振興係のメンバー

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 東京国際フォーラム(千代田区)で2月12日・13日、「葛飾発信 第1回町工場見本市2015」が開催された。「葛飾のものづくり」の魅力と今後について、主催の葛飾区担当者に聞いた。

小堀加工所の中身が入った缶飲料への印刷

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 同展は、葛飾区と近隣自治体の町工場の独自技術、製品を一堂に集めて紹介したもの。出展企業は「金属・ゴム・プラスチック・皮革・紙・繊維」などの加工技術や製品を持つ町工場や中小企業。区内からは77社が出展した。「江戸っ子1号プロジェクト推進委員会」(葛飾区白鳥1)が作った町工場発の海底探査機「江戸っ子1号」の講演や、東京理科大学発のベンチャー企業「イノフィス(新宿6))が開発した着用型筋肉補助装置「マッスルスーツ」の体験展示やなども行われた。

 開催の目的は、葛飾区内の中小製造業の販路開拓と出展企業同士のネットワークの拡充。担当した地域振興部の氷室祐季さんは「今まで展示会に出たことのない企業にも声を掛け、区が出展をサポートした」と話す。そこには区内製造業の厳しい局面もうかがえる。「葛飾区の町工場は、少人数で経営しているところが多いために、展示会への出店も難しい。とは言え、下請けのみ、営業なしの受け身な経営方針ではやっていけない時代。そこで、積極的に声を掛け、セミナーを開いたり、専門コンサルタントが各企業を訪問して出展内容をアドバイスしたりした」という。「今回得たノウハウをもとに、今後も展示会に積極的に出店してほしい」とも。

 区外の会場を選んだ点については、「『テクノプラザかつしか』などの区内の施設では、交通の利便性で劣ってしまう。葛飾の素晴らしい技術を多くのバイヤーやメーカーに見てほしかったので、知名度が高く、利便性のいい会場を選んだ」と話す。

 出展企業からは「来場者がしっかりと目的を持って来ていて質が高い」「課題を抱えていて、解決しようと思っている企業が多い」「あらかじめ調べて、やってくる人も」と評価する声が多く、「この会場でやった意味は大きい」と振り返る。

 今回初めて出展したという花島シーマン(青戸5)は、化粧品の「中身」を開発、受託製造する企業。「区内にこんな製造業者がいることを伝えたくて出展した。他の製造業企業と横のつながりが持てれば」と話す。小堀加工所(東堀切3)は、ドリンク用カップやビール缶、SPS製エコ箸への印刷加工技術をアピール。高田紙器製作所(堀切3)は、自社製品「ポップアップ名刺」の魅力を寸劇で披露した。23区で4位の工場数を誇る同区のものづくりは「ゴム、プラスチック、金属、皮革、繊維、印刷など、多種多様・多品目に渡っているところが魅力」と氷室さん。かつては、玩具の町として知られ、玩具に使われる多様な素材を加工する工業が集積していたことも、現在の業種形成に影響しているという。「それぞれの町工場の高品質な技術力を広くアピールしたい」とも。

 同展は今後も隔年で開催する予定。次回は2017年。氷室さんは「今回は1回目なので反省点もたくさんある。2回目は、さらに販路拡大につながるように、来場者がたくさん来るように魅力的な展示会にしたい」と意気込みを見せる。

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