亀有のホイッスル製造「野田鶴声社」がW杯モデル-近年は国内向け生産も

記念モデルを手にした野田社長。79歳の現在でも現役で仕事に励む。

記念モデルを手にした野田社長。79歳の現在でも現役で仕事に励む。

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 ホイッスル製作を手掛ける亀有の「野田鶴声社」(葛飾区亀有3、TEL 03-3601-6281)は現在、6月11日から始まるサッカーワールドカップ(W杯)南アフリカ大会を記念したホイッスルを製造・販売している。

パリ市警に納入したホイッスルを持つ野田さん(関連画像)

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 同商品はクロームと金メッキの2種類で、ボディーに「2010 SOUTHAFRICA」と刻印する。W杯開催年に記念モデルを製造・販売している同社。テレビや雑誌で紹介されることが多い同商品は全国から注文が入る。「毎回開催国のモデルを購入する常連客もいる」と二代目社長の野田員弘さん(79)。

 ホイッスルは真ちゅう製で、「オリジナル4層構造」「高精度加工」「オリジナルコルクボール」などの加工技術に定評があり、広く広がる高音が特徴。大きなスタジアムでも良く響くことから好評を得、日本にとどまらず海外に輸出され使用されている。

 W杯では、1978年のアルゼンチン大会から使用され、世界中の審判に重宝がられている。フランス大会で唯一の日本人審判となった岡田正義さんも、同社のホイッスルを愛用する1人として知られている。

 海外輸出向けに生産していた同商品だが、現在は国内の受注生産も増えている。近年では大阪・岸和田で行われている「だんじり祭り」や、福岡の「おくんち」などで同社のホイッスルが使用されているという。「日本の技術が日本で使われているのはうれしいこと。笛の甲高い鳴き声で祭りが盛り上がってくれれば」(野田社長)。

 現在79歳の高齢で週に3日通院を余儀されている野田社長。ホイッスルの製造・販売について、「命のある限りは現役として活躍していきたい。今後も質のいいホイッスルを世間に送り出したい」と話す。同席していた家族からは「この人は仕事が趣味のようなもの。仕事を取り上げたら老け込んでしまう。今後もできる限り仕事を続けてほしい」と暖かく見守る。。

 価格は、クローム=5,000円、メッキ=8,000円(送料別)。注文は電話、ファクスで受け付けている。

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