亀有にある「ギャラリーバルコ」(葛飾区亀有3)で12月7日、画家・古川あいかさんの個展「the state of the past」が始まった。
同展は、同ギャラリーのディレクターを務める新藤君平さんが企画。ギャラリーのコンセプトについて、新藤さんは「亀有のギャラリーにはない特色のある作家を呼び、ギャラリーにより多くの人を呼べる構成を考えている」と話す。
古川さんは1982(昭和57)年愛知県生まれ。東京藝術大学で油絵を専攻した後、油絵を中心とした作家活動を開始。現在は、文化庁 新進芸術家海外研修制度の研修員としてドイツに派遣されるなど、ドイツと日本を中心に活動中。近年ではあいちトリエンナーレの出展も果たしている。
今回は、「人の服の脱ぎ捨てた後」「ベッドの抜け殻」や人の手などをモチーフとした油絵などを展示。作品は重ね合わされテントのように形成し、独特の世界観を演出している。
脱ぎ捨てた服やベッドの抜け殻などをモチーフにすることについて、古川さんは「普段の芸術のモチーフは、日常生活とかけ離れている分、一般の人との距離があり理解が難しい。日常をモチーフにし、どこにもアートの要素があることを伝えたいと思った」と話す。「この作品を見てくれた人が自分の服を脱ぎ捨てたときに、自分の作品とリンクすることを感じてくれれば」とも。
今後について、新藤さんは「葛飾で作家活動を行う作家はとても多い。街中で発表するだけでなく、きちんとギャラリーで発表するのに向いている作品も見てもらいたいと思い、今回の企画を提案している。今後も多くの若い作家を呼び、アートに触れられるギャラリーづくりをしていきたい」と話す。
営業時間は12時~19時。15日まで。