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堀切の古書店主が自身の詩集を自費出版-思春期からの日記がベース

詩集「古本屋人生史」を手にする著者の青木さん

詩集「古本屋人生史」を手にする著者の青木さん

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 堀切の古書店「青木書店」(葛飾区堀切3、TEL 03-3691-5003)店主・青木正美さんが今年1月に詩集「古本屋人生史」を出版し、初版の約3分の2が既に販売済みとなった。

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 同店は創業60年。初版本などの古書はもちろん、近代作家の直筆原稿や無名人の日記、古地図などの収集と販売で知られている。

 青木さんは1933(昭和8)年生まれの今年81歳。同地で生まれ育ち、古書店業の傍ら文筆活動を行い、現在までおよそ40冊に及ぶ著書を出版。主な内容は、収集した文献を紹介・解説する図書や古本店業についてのエッセー、島崎藤村の研究家としての執筆も多い。中央図書館(金町6)では葛飾区ゆかりの作家として著書が所蔵されている。

 同書は、思春期から毎日書き続けている日記の中から、その時の思いをつづった89編の詩が年を追って連なる構成で、15歳~80歳の人生をたどるように、1年につき1から3編の詩が掲載されている。

 80歳で自らの人生を顧みる詩集を自費出版した理由について、「77歳でがんになったことをきっかけ。自分の生涯をたどれる詩集を残そうと思った」と青木さん。「詩集はもうからないと、出版社が敬遠するので自ら出版した」とも。

 同書の魅力について、「長年、数多くの日記や詩集を読んできたが、これほど長い年月を一冊にまとめたものは見たことがない。着眼点が良かったと思う」と話し、「日常生活や、この地で感じたさまざまな心情を描いた作品だが、葛飾に限らず多くの人に読んでもらいたい」とも話す。現在、病気は完治。今後も著書の出版予定があるという。

 購入は青木書店に直接来店または同店の通信販売で可能。1冊1,000円(税別)。

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