足立区郷土博物館がリニューアル-昔遊び体験や都営住宅再現も

同館藤田さん、昔のおもちゃを手にする渡辺望史くん、橋本成道くん、林永都くん、長尾祐真くん、新井さん。今回復元された都営住宅のセットを背にして。

同館藤田さん、昔のおもちゃを手にする渡辺望史くん、橋本成道くん、林永都くん、長尾祐真くん、新井さん。今回復元された都営住宅のセットを背にして。

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 足立区立郷土博物館(足立区大谷田5、TEL 03-3620-9393)は3月15日に館内のリニューアルを行い、多くの来場者を集めている。

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 同館は足立区とその近郊の歴史・郷土を展示するため1987(昭和62)年に開館。約3万点の収蔵物を保有する。年間3万人の来場者を目標としていたが、近年は来場者が少なく目標来場者に達しない年も多かった。

 今回のリニューアルは約2年をかけて企画したもの。従来は足立区近郊の出土された埴輪(はにわ)や農村文化などを中心に展示を行ってきたが、今回のリニューアルは「江戸東京の東郊」と位置づけ、近現代の足立の市民生活を中心に紹介する。

 以前まではみこしが飾ってあったエントランスホールも、畳を敷いたフリースペースとして開放。ホール壁面に設置された引き出しには展示物のほかに、おはじきやビー玉、けん玉など昭和を代表する遊戯道具をそろえ、自由に遊ぶことができる。同館を訪れていた東和在住の渡辺望史くん(小4)らは「学校の社会科見学で訪れて面白さに気付いた。けん玉など遊べるものが多く、よく遊びに来ている」と話す。中学生以下の子どもは無料で入館でき、現在は子どもを対象に3回来館するとオリジナルグッズを進呈するスタンプラリーなどのイベントを行うなど、地域住民のリピート利用を狙う。

 今回のリニューアルの目玉は昭和30年代に足立区付近に多くあった都営住宅の長屋を館内に再現した部分。東京都から当時の設計図などを取り寄せるほか、実際に住んでいた住民などに聞き取り調査を行い、当時の暮らしぶりを完全に再現した。来館していた新井さんは「実際に触れられる展示物が多く、ただ見ているだけでなく体験できるのが楽しい」と感想を話す。

リニューアル後わずか半月で約1万人の来場者を記録し、年間目標の3割をすでにクリアした。同館の藤田さんは「当時暮らしてたであろう団塊の世代などの来場者には、今回のリニューアルは非常に人気。ほかにもアニメや映画でも有名な『お化け煙突』を再現した模型なども人気。今後もイベントや特別展示を通して、より多くの来場者に理解を深めていきたい」と地域に根ざした博物館づくりを目指す。

開館時間は9時~17時。月曜休館。入館料は、高校生以上200円、中学生以下と70歳以上は無料。

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