葛飾区郷土と天文の博物館(葛飾区白鳥3、TEL 3838-1101)で10月31日、特別展「現場へようこそ~出稼ぎ・集団就職・雇用と就職の近現代史~」が始まった。
同展は葛飾区の人工と労働力を主眼にした展示内容で、主に工事現場や建築現場で働く人間に注目。開場には戦時中から現代までの工事現場を再現、展示している。
今回の企画について、同館学芸員の堀さんは「葛飾地域に当時住んでいた人工はおよそ1万人弱。現在ではその数十倍の人口となっており、他の地域から移り住んできた人がほとんど。今までの展示は元来住んでいた区民の目線からの展示があったが、今回は東京へやってきた『よそ者』を注目した近現代史を表したかった」と話す。
同展は約1年近く前から準備を始め、左官職人やはつり工、鉄筋工など延べ100人以上の職人にインタビューした。これらのインタビューを基に彼らの暮らしぶりを再現するほか、工事現場を再現した場所では細分化された仕事を説明している。
出稼ぎ労働者や建築現場を歩いて取材した堀さんは「都市部の工業と地方部の農業は密接な関係があり、現在では希薄になってきている。江戸時代の職人芸だけでなく、戦後培ってきた『現代の職人たち』が多くいることを知ってもらい、仕事や就職などの関心を高めてもらえれば」と期待する。
開館時間は9時~17時(金曜は21時まで)。月曜と第2・第4火曜休館。2011年1月10日まで。