立石の工房でオリジナル手拭いデザインコンテスト-作品募集中

昨年の受賞作品を手にする瀧沢さん

昨年の受賞作品を手にする瀧沢さん

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 立石の東京和晒(わざらし)(葛飾区立石4、TEL 03-3693-3333)で現在、「オリジナル手拭いデザインコンテスト」の作品を募集している。

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 同社は1889(明治22)年に創業。かつては浴衣の生地生産で全国シェアの3分の1を担っていた。現在では日本の伝統文化である「手拭い」と、明治時代に生まれた染色技法「注染(ちゅうせん)」の伝承として、「手拭いクリエーター」の育成に力を入れている。トークイベントやビンテージ手拭いの展示会なども開催。注染の体験教室もあり、じっくりと技術を学べる「手拭実染熟」の卒業生には、自分のデザインを商品化し作家活動をしている人もいる。社長の瀧澤一郎さんは、「手拭い作りの文化、作り手を支援して行くことが会社のコンセプト」と話す。

 注染は型紙と防染ノリを用い、びょうぶ状に畳んだ布に染液を注ぎ、下から吸引して表裏を等しく染めるもの。スクリーンプリントなどの最近の方法に比べると細かい柄の再現などには不向きだが、独特の優しい風合いや柔らかなぼかしが特徴で、偶然が生み出す面白さが魅力。もともとは浴衣生地を主に染めていた。

 同コンテストは「手拭いデザイナーの掘り起こしと、新たな手拭いファンの創出」が目的。今回で12回を迎える。今年のテーマは「羊」で、えとがテーマになるのは今年が最後。注染に合うデザインを募集する。選考は注染に携わる職人と同社スタッフで行い、翌24日には受賞作品を決定し、ホームページで発表する。「グランプリ」受賞者には、作品を手拭いにして20部を進呈し、同社ネットショップでも販売する。「東京和晒賞」には、作品を無償で型紙にして進呈。「手拭いのデザインは、いまだになじみの薄いところがある。コンテストをきっかけに、多くの人に手拭いデザインの楽しさを感じてほしい」と語る。

 「ビジネス上のデザインコンペではないので、手拭いのデザインや応募そのものを楽しんでほしい。商品にした時に、思わず欲しくなるような作品を待っている」と瀧沢さん。「グランプリを取って、自分のデザインの手拭いを獲得して」とも。

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