発注ミスで「黒マグロ祭」-亀有のすし店、対応に追われ赤字幅広がる

赤字額の質問に対して頭を抱える岡部さん。しかし,今後も地元来店客のためにイベントなどの企画を考えていくという。

赤字額の質問に対して頭を抱える岡部さん。しかし,今後も地元来店客のためにイベントなどの企画を考えていくという。

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 亀有のすし店「太助寿司」(葛飾区亀有3、TEL 03-3603-9262)は4月29日~5月4日まで、「国産生黒まぐろ祭」を開催した。

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 同イベントのきっかけは、本来30キロ級の発注に対して、発注ミスのせいで60キロ級のホンマグロが届いたとこから。同店では急きょ、中トロを100円で提供するイベントを開いた。

 同イベントはテレビやラジオ、スポーツ新聞などに取り上げられ、多くの客が詰めかけた。握りにすると約2,700貫あった60キロのマグロは、イベント開始からわずか3日で完売。同店ではさらに合計70キロのホンマグロを追加発注。合計130キロ、約6,000貫のホンマグロは、予定していた5日を前倒しし、4日の営業中に終了した。

 イベントに関して二代目店主の岡部正郎さんは「当初のミスで赤字が出たばかりではなく、追加発注でさらに赤字幅が広がった」と苦笑いし、赤字の額に関しては「数十万単位の赤字だと思う。それよりも期間中の集中した来店客のおかげで、スタッフ全員が疲労困ぱいした。まさにくたびれもうけ。まだ疲れが抜けない」と肩を落とす。これにより同店は10年ぶりの連休をとったという。

 ほとんどのすしを握った斉藤店長は「回転ずし時代にはあったが、ここ久しぶりの忙しさ。あんなにマグロだけを握るのはこの先ないかも」と笑いながらも、「久々にクタクタになった。しばらくイベントは遠慮したい」と疲れをみせる。

 期間中、「3日の夜間のみマグロの供給がストップしたことがあった」と岡部さん。「朝のテレビの放映で予想以上の反響があり、夜の営業まで間に合わなかった」といい、ブログや店頭で説明し通常営業を行った。すると夜の営業は同店の常連客が来店し、にぎわったという。岡部さんは「混雑時をあえて避けてくれた常連客が売り切れを知って顔を出してくれた。とてもうれしい出来事だった。地域とのつながりを実感した」と振り返る。

 今回のイベントについて、岡部さんは「テレビや新聞に自分の店の名前が出て、久しぶりの来店客や遠くから来店する客もいた。数字には表せない効果があった」と話す。今後については、「一方的な値下げだけのイベントはしばらく控えたい。もちろん、ミスはもうしたくない」と苦笑いしながらも、「今回はあくまでもミスによるもの。今後は店内のみんなが楽しめるような、さまざまなイベントを企画していきたい」と次回に向けて秘策を練り始めている。

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