老舗料亭「川甚」跡地に7月18日、観光施設「柴又川甚まちなみ館」(葛飾区柴又7)が開館し、開館記念式典が行われた。
同施設の前身である「川甚」は、夏目漱石の「彼岸過迄」など数々の文学作品に登場した江戸後期の寛政年間に創業した川魚料理の老舗。映画「男はつらいよ」第1作では、さくらと博の結婚披露宴の舞台にもなった。230年余り地域に愛されながらも、2021年1月に営業を終えた同店跡地を葛飾区が取得し、観光拠点として整備を進めてきた。新しく誕生した同施設では、都内で初めて国の重要文化的景観に選定された「柴又」の景観と歴史を未来につなぐ役割も担う。
開館記念式典では、青木克徳葛飾区長や区議会議員、地元柴又の関係者が出席。映画「男はつらいよ」の山田洋次監督やさくら役の倍賞千恵子さん、博役の前田吟さんからのメッセージも紹介された。
山田監督は撮影から57年がたったことに触れ、「あの懐かしい川甚が装い新たに『柴又川甚まちなみ館』として復活することは、寅さんシリーズの監督として心からうれしく思う。この建物が柴又の魅力的なまちづくりの結節点にもなることを願う」と開館を祝福した。倍賞さんは「お兄ちゃんや家族みんなの笑い声が絶えなかった車屋のように、多くの人が訪れて笑顔があふれる楽しい場所となることを願う」とつづり、前田さんは「人々の交流や絆ができる公共施設として生まれ変わった」と歓迎した。式典の最後には、青木区長や来賓によるリボンカットも行われた。
施設の1階は観光案内窓口やショップ、カフェを併設。観光案内窓口では、柴又を中心とした観光情報や観光モデルコースを紹介する。ショップでは地元・葛飾の特産品のほか、全国の人気食品も購入することができる。2階は、柴又の文化的景観を紹介する常設展示や川甚ゆかりの品々を展示。同フロアでは日替わりの体験プログラムも行う。3階は多目的ホールとして貸し出す。来年には敷地内に和風庭園も開園する予定。
青木区長はあいさつで、「柴又川甚まちなみ館では多くの方に、葛飾や柴又、川甚のことを知ってもらいたい。この機会を有効活用し、柴又や葛飾を活性化するために取り組んでいく」と抱負を語った。
開館時間は9時~18時(多目的ホールは21時まで)。第3火曜休館(祝日の場合は翌日)。