80年以上守った「娑婆との境目」-東京拘置所の外壁、取り壊しへ

現在の留置所を綾瀬川方面から。手前の部分に官舎が出来る予定。

現在の留置所を綾瀬川方面から。手前の部分に官舎が出来る予定。

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 「小菅刑務所」として地元で知られていた旧東京拘置所(葛飾区小菅1)で今月から、外壁の取り壊し工事が始まった。

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 東京拘置所によると、取り壊されるのは旧東京拘置所の敷地を囲む高さ約5メートルの外壁の一部で、旧拘置所の敷地の東・北・南側の計約590メートル。

 今回取り壊される外壁は1925年ごろに造られた鉄筋コンクリート製のもので、当時は小菅刑務所の外壁として造られた戦後、巣鴨の拘置所が米国に接収されたのをきっかけに拘置所が併設された。71年の刑務所廃止の後は拘置所の壁として現在まで監視施設などを残してきた。

 今回の取り壊しは、2006年に完成した新舎房により拘置所として使われなくなった敷地を国家公務員の宿舎設置計画により、宿舎4棟(220戸)の建設に伴うもの。完成は2010年を予定している。

 都心から近い拘置所はテレビや映画のロケ地として多く使用されてきた。80年以上隔ててきた「娑婆(しゃば)」の壁は、撮影だけではなく多くのドラマを生み出した。

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