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葛飾のカットガラス製品が「町工場物語」に認定-江戸切り子にも注力

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 カットガラスの加工・販売を手掛ける「清水硝子」(葛飾区堀切4、TEL 03-3690-1205)の製品が葛飾ブランド「葛飾町工場(まちこうば)物語」として認定された。

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 葛飾町工場物語は、葛飾区と東京都商工会議所葛飾支部が区内の「ものづくり」の技術や生産された製品や部品などを認定し、その製造背景やエピソードを漫画などでストーリー性豊かに情報発信する制度。本年度は11社の技術・製品が認定され、その一つとして同社のカットガラス技術製品が認定された。

 同社は1923(大正12)年に清水直次郎さんが創業。当初は特殊ガラスの加工などを手掛け、戦後、保谷硝子(現在のHOYA)との取引を開始し、海外販売向けの高級ガラスやクリスタルを製造。最盛期の昭和30年代には45人程度の職人・従業員がカットガラス製造に従事したという。

 現在は3代目社長の清水三千代さんの下、12人の従業員でカットガラス加工を行う。大手ガラスメーカーではカット加工のオートメーション化が進んでいるが、同社では機械では表現できない細やかな仕上げ作業を請け負うだけでなく、高級ホテル・レストランブランドのガラス食器の受託生産も行っている。

 また、伝統産業である江戸切子にも注力。「一時期は海外勢や機械化に押され減益することもあり、職人たちのものづくりに対する意欲を生かすために江戸切子の仕事も多く受けるようになった」(三千代社長)と話し、オリジナル商品の開発・販売も進めてきた。現在は営業担当で長男の祐一郎さんがネット販売や広報活動を行い、江戸切子の啓発を行っている。

 最近ではネット販売や展示会など好調の同社。三千代社長は「10年前は支払額の金策に頭を悩まされた日々が多かったが、江戸切子のオリジナル商品が好評となり、業績にも表れてきた」とも。現在では東京スカイツリーの装飾の一部に江戸切子が採用されその加工依頼を受けたり、タレントの東貴博さんと安めぐみさんの結婚式の引き出物に選ばれるなど、その「活躍」の場を広げている。

三千代社長は「60年以上のキャリアのある職人や、若い発想でものづくりをする女性職人などお互いの長所を生かせる製作を行っている。今後は区内は元より区外でもさらに江戸切子やカットガラスの魅力を伝える仕事をしたい」と話す。

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