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立石の老舗米穀店で見習い社員が奮闘中 米の違いを知ってほしい

越中屋で働く塔嶌麦太さん

越中屋で働く塔嶌麦太さん

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 葛飾・立石の米穀店「越中屋」(葛飾区立石1)で見習いとして働く塔嶌麦太(とうじまむぎた)さん(26)が11月、入社から3年目を迎えた。

各地の米には生産者の写真や名前を表示している

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 塔嶌さんは目黒区出身。母親の実家が奥戸にあり、年3回ほど通っていたが、高校卒業のタイミングで葛飾区へ引っ越してきた。地域の中で経済の循環ができる個人商店をつくり独立すること目指しており、「ご飯が好き」ということと、米穀店の雰囲気に魅了されて働ける場所を探す中、同店店主の岡田和己さんに働きたい意思を伝えると、とても喜ばれ入社に至ったという。

 同店は1925(大正14)年創業の老舗で、銘柄ではなく生産者にこだわっている。岡田さんは「銘柄の種類を増やすことではなく、『おいしく作れる』生産者にこだわって展開している。同じ銘柄でも生産者の手の掛け方や作り方で全く違う味になる。まず消費者である葛飾の人に本当にいいものを選んでほしい」と話す。店内には生産者の写真や名前を掲出し、名前が出ることで、「恥ずかしくないものを作ろう、もっとおいしい米を作ろう」という気持ちになり、生産者側のモチベーションも上がるという。

 高度成長期1人当たり年間150キロだった米の消費量は50キロほどまで減少。米の購入先はスーパーマーケットが8割、ネットが1割以上で、米穀店で購入する人は2~3%ほどだという。

 米穀店にとって苦しい状況の中、塔嶌さんは「時代に沿ったおしゃれな米穀店も多いが、自分には向いていない。それよりも下町に合わせた昔ながらの店を開き独立したい」と抱負を明かす。現在、越中屋のツイッターを立ち上げるなど新しい宣伝活動を模索するほか、区内で米の食べ比べイベントを不定期で開いている。

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