葛飾区は8月30日、かつしか文学大賞で大賞受賞作品「広い空」（南部洋一さん作）を2012年9月の公演に向けて舞台化することを発表した。

　同作品は文が芸術創造事業の一環として、区を舞台に人の心の触れ合いを題材として作品を募集。応募数169作品の中から選ばれたもので、フレンチシェフを目指した主人公が実家のある葛飾に戻り、商店街や周囲の人間たちの触れ合いによって成長していく物語。現在は区役所を中心に区内各所で本が販売されている。

　同作品について、同事業の運営を行う「かつしかシンフォニーヒルズ」（葛飾区立石6）担当者の目須田和江さんは「映画化・ミュージカル化など多様な表現方法を検討してきたが、作品の世界観やキャラクターを考慮して舞台化を選んだ」と話す。

　同作品は脚本を中島淳彦さん、演出を佐藤B作さんが担当。どちらも喜劇舞台の制作に定評がある人選となった。

　キャストは同施設や区内公共施設にあるチラシやインターネットの申請書で応募。書類審査の後、10月21日・22日にオーディションを行う。オーディションに合格したキャストは2012年初頭から月に1～2回程度稽古に参加する必要があるが、公演1カ月前からは毎日行われるという。「仕事との掛け持ちでは難しいかもしれないが、多くの人が舞台に参加してほしい」（目須田さん）とも。

　オーディションの応募は9月30日まで。書類は郵送か持参で受け付ける。